現役時代にやっておくべきこと(3) 大石 博暁さん

選手とトレーナーの二足のわらじが
たくさんの相乗効果をもたらした


ooisi1.jpgボブスレーの選手として長野冬季オリンピックに出場したとき、レース序盤のスタートタイムで8位という成績を残した。少し前のワールドカップのころは、日本はパワーの必要とされる序盤には弱く、出場40チーム中の最後の方のタイムしか出せていなかった。
「日本人には不向きといわれた競技で、日本人でもやれないことはないんだという結果を出せたことが今、自分の仕事にとても役に立っています。トレーナーの仕事で高校生に接していると、“自分にはムリ”“できるようになるわけがない”という否定的な考え方をぶつけられることがあるんですが、実体験から“正しく強化さえすれば、結果はついてくる”と自信を持って言うことができますから」


yokatta_ooishi.gif現在、男子バレーボールの日本代表チームの、体力強化担当コーチを務めている大石さんがトレーナーという仕事に就いたのは大学を卒業してすぐのことだ。

「陸上の円盤投げをやっていましたが、高校でも大学でも1位を逃していて、どうしても日本一になりたかった。でも投てきでは、競技を続けたくても支援してくれる実業団などなかなかありません。ですから、フルタイムで働きながら、続ける道を選んだんです」


理論を実戦で自ら試すことができる。実戦で得たことを仕事に生かすこともできる。競技場で会うトップアスリートたちからは積極的に、トレーニングにまつわる有意義な話を聞き、彼らが師事しているというトレーニングの指導者に、実際に会いに出かけた。

「できる限りいろんな方のお話を直接うかがいに行きました。指導法に正解はないし、競技も様々なので、まずは素直に聞いてみて、自分がいいと思ったことは吸収し、自分のカタチをつくろうと思っていました」


選手とトレーナーの“相乗効果”で、競技力も向上。地元開催の広島国体で念願の日本一に。そのころからボブスレーも始め、冬季オリンピックの長野、ソルトレーク大会に出場後、陸上競技を続けながらトレーナーの仕事を再開。地道に成果をあげてきたことが評価され、今度はトレーナーという立場で3度目のオリンピックをめざすことになった。


yatteokeba_ooishi.gif"「トレーナーが迷っていると選手は不安になるので、常に自信を持って臨みたい。ケガで練習できない選手の気持ちも、選手としてわかるし、場合に応じていろんな話をしたい。自分がやるより、人に教えるほうが難しいですが、その分、喜びも大きい。今は選手が本当にかわいくて仕方ないんですよ」


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【関連リンク】
●医療法人社団 飛翔会 http://www.hishokai.or.jp


【プロフィール】
大石博暁(オオイシ・ヒロアキ)
1970年広島県生まれ。崇徳高で円盤投げを始め、東海大学卒業後、トレーナーをしながら、96年広島国体優勝。ボブスレーも始め、オリンピックは長野、ソルトレークシティの2大会に出場。現在は医療法人社団 飛翔会 (株)メディウイングに所属し、05年男子バレーボール日本代表チームの体力強化担当コーチに就任。
*JOC発行の「キャリアトランジションvol3」(2005.8発行)をWEB用に改稿して、掲載しています。


                                                (取材:2005年6月)