新しい道を切り拓くには(1) 中垣内 祐一さん

地域密着型クラブの監督として、社会に一石を投じていきたい


nakagaichi1.jpgコーチ兼任選手を経て昨年、所属チームの監督に就任した中垣内祐一さん。今年の12月で発足6年目を迎える堺ブレイザーズは、地域密着型クラブの草分け的な存在として知られている。


――引退後の予定はどう立てていたのですか。


「大学を卒業して、実業団チームに入社したときには“競技を終えた後は、所属企業で社員として働こう”と考えていました。現役を続けているうちに、コーチを兼任するようになり、昨年の3月にVリーグが終わったとき、そろそろ潮時といいますか、次の仕事への移行期が訪れたと思い、現職の道を選びました」


――地域密着のクラブの運営は、どんな点がたいへんで、どんな点に喜びを感じますか。


「端的に言って活動資金を得ることが一番たいへんです。企業チームであれば、会社がすべて負担してくれた経費なども、自分たちでやりくりしなければならない。経済的には常に厳しい状況の中にいます。その反面、応援してくださる方たちの存在が最高にうれしいと、心からそう実感できるのがクラブならではの喜びです」


――昨年は個人会員2100人、法人は112社を越えたと聞きました。ブレイザーズの存在意義をどう感じていますか。


「近年、バレーボール、とりわけ男子バレー人気低下は大きいものがあります。これを回復させることが、自分に課せられた使命の一つだと考えています。地域密着型のこの会社は、日本の社会に一石を投じるような新たな試みですから、こうした活動などを通じて強い男子バレーの復活に関わりたいと思っています」


――昨今、中学校のバレー部のみならず、多くの運動部が減少しています。


「中学生にバレーができるチャンスを提供しようと、ブレイザーズジュニアというチームを作ったり、バレー教室を開催しています。少しでも地域に貢献できればというのと、サポートしてくださる行政に、我々の存在意義をアピールしたいというのもあります」


――選手が引退したときに、プラスになるようにと、チームで勧めていることはありますか。


「セカンドキャリアの支援策は、数年前から実行しています。現役のころから競技以外にもさまざまなことを体験し、自ら試行錯誤しつつ、強い意志を持って行動している選手は、引退後もいい仕事をしていますね。どの道でも真のプロフェッショナルになるには、相当の覚悟と努力が必要でしょう。私も勉強中ですが、何か一つのことを真摯な姿勢で行うことが、未来の自分づくりに大切なことだと思います」


今の仕事を極めることに まずは努力したい
g_nakagaichi.gif大学時代、初めて本格的な指導を受け、下級生のころは練習ばかりしていた。大学4年のときに日本代表となり、その勢いのままバルセロナオリンピックに出られたが、アトランタオリンピックの出場を逃してしまったことには責任を感じてもいる。まずは目の前のことをただ一生懸命やって、今の仕事を極めたい。


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【関連リンク】
所属チーム:堺ブレイザーズオフィシャルサイト


【プロフィール】
中垣内祐一(ナカガイチ ・ユウイチ)
1967年福井県生まれ。筑波大学在学中に日本代表に抜擢されてワールドカップで一躍エースに。90年、新日鐵堺に入社。92年バルセロナオリンピック6位入賞に貢献。全日本選手としてワールドカップ、世界選手権など数々の国際大会で活躍。2000年12月にチームは地域密着型クラブになり、04年監督就任。                        *JOC発行の「キャリアトランジションvol2」(2005.3発行)をWEB用に改稿して、掲載しています。