オリンピアン交流会 第3回越和宏“自分の売り込み方”

オリンピアン(ナショナルチームの指導者も含む)をゲストに迎え、あるテーマのもとに選手、コーチに話をしてもらう交流会として2008年6月からスタートした。参加者は競技を問わず公開講座として月に1回、1時間にわたって実施している。

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オリンピアン(ナショナルチームの指導者も含む)をゲストに迎え、あるテーマのもとに選手、コーチに話をしてもらう交流会。第3回は越和宏さん(ソルトレイクオリンピック、トリノオリンピック・スケルトン日本代表)を講師に招き、お話いただいた。“中年の星”として注目を集める越さんだが、競技もご自身も今より知られていなかった頃から、スポンサーを得るためにさまざまなことに取り組んできた。現在はスポンサーの支援を受け、他の2選手とともにスケルトンクラブを立ち上げている。


競技を続けていくためにスポンサーを探したいが、どのようにすればいいのかわからず、二の足を踏んでいたり、見つけても継続することができなかったり。スポンサーについて悩みを抱える選手は少なくない。越さんがどんなふうにスポンサーを得て、どんな関係を築いたか。自分をどのようにアピールしたのか。失敗談も交え、越さん流の「自分の売込み型」を教えていただいた。


【ガイダンス概要】

1. 開催名称:JOCキャリアアカデミー 第1回オリンピアン交流会


2. 開催日時:2008年9月22日(月) 18時-19時


3. 開催場所:ナショナルトレーニングセンター 研修室5


4. 講師:越和宏さん(ソルトレイク、トリノオリンピック・スケルトン日本代表)

※http://www.joc-athlete.jp/interview/koshi1.html 参照


5. 実施内容:

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幼少期から抱いていた「有名になりたい」という思いのもと、越さんは「この競技ならば誰もやっていないだろう」とまずはボブスレーでオリンピックを目指す。当時はバブル期の絶頂で、実績のない越さんにも支援を申し出てくださる企業があり、スポンサー契約を結んだ。しかし、当時は「与えられるのが当然で、恩返しをしようという気持ちがなかった」ため、契約は解消。


その後、ボブスレーからスケルトンに転向したが、なかなかスポンサーは見つからない。結婚を控えた越さんは「このままではいけない」と、電話帳で長野県内の有力と思われる企業136社を探し、そのすべてに「スポンサーを探しています」と思いのたけを綴ったダイレクトメールを送った。「20通は返事が来るだろう」と、どこか楽観していたが、結局1社も問い合わせすらなかった。


突きつけられた現実を前に「もう競技を辞めようかとも考えた」越さんだったが、「同じことを三度やって、それでダメならあきらめよう」と、再びダイレクトメールを送る。すると、わずかに1社、「一度お会いできませんか」と前向きな返答が寄せられる。電話をもらった当日に担当者のもとに出向き、98年の長野オリンピックへ向け、海外遠征や合宿時以外は社業に就くことを条件にしたスポンサー企業を獲得した。


しかしバブル後に訪れた不況のあおりを受け、そのスポンサー企業も経営不振に陥る。当時は知名度も少しずつ増していた越さんだったが、リストラ対象に挙がり、再びスポンサー企業を失う。バブル崩壊で企業は軒並み不況、以前と同様にダイレクトメールを送っても効果を得られないだろうと考えた越さんは、知人の記者に相談を持ちかけ、「スポンサーを探しています」と記者会見を通して訴えた。反響は大きく、その結果、5社の企業とスポンサー契約を締結することができたという。


「私はどこにでもいる雑草のような存在であり、マイナー競技の目立たない選手。それでもスポンサーが得られたのはなぜか。いかに相手を本気にさせるか。そのためには、自分が本気になり、可能性を信じるしかない」
越さんが心から発する本気の言葉は、参加者にも強く響いた。


6.受講者の声

・「HEROになりたい」という越さんの本音をうかがえて、僕も競技を始めた理由を見つめ直すよい機会になりました。頑張ります。


・越さんの“生き様”自体が、心響いた。


・具体的な話が多く、勉強になった。スポンサー獲得は無理かも、恐らくダメだろうなという考え自体が大変な間違いであることがわかった。いろいろな可能性があることを知り、もっと本気になるべきだと思いました。


・とても勉強になった。具体的な内容ももちろんだったけれど、精神的な部分や、自分の真剣さ、メンタル的な部分で刺激になった。
・なかなか聞けないポイントの話なので、聞くことができてよかった。精神的な部分で今後に生かされると思う。


・甘えていた自分に「喝!」を入れてもらった。これからのことを悩んでいたので、地方から思い切って参加してよかった。「自分を飾らない」「嘘をつかない」。私も実践して頑張ります。


・とてもためになった。自分の選手生活に役立てて生きたいと思った。越さんが僕たちに真剣に話をして下さって感動した。僕も頑張ろうと思う。